ラム酒のおすすめ(ジャマイカ)

ジャマイカ(Jamaica)

ラムコンシェルジュのkunitomoです。今回はジャマイカのラムについてご紹介します。

・首都:キングストン(Kingston)

・通貨:ジャマイカ・ドル(JMD)。他国の通貨の$(ドル)と区別するためにJ$かJA$のどちらかに省略される

・公用語:英語。宗主国はイギリス。

・ベストシーズン:一般的に11〜4月が乾季とされ、雨や湿気も少なく刊行しやすい。平均気温29.5度

・時差:日本との時差は-14時間。1949年5月5日にコロンブスが第二次航海でジャマイカに到着

ジャマイカラムの特徴

ジャマイカラムの特徴は、フルボディと言われる酒質が太く力強いものが特徴です。糖蜜を「パンチョン」と呼ばれる大樽で発酵させ、基本的にはすべての蒸留所で単式蒸留器が使われていますが、大手企業が運営している蒸留所では連続式蒸留器も使用しています。現地の人はアルコール度数63度の(!)オーバープルーフラムを好みます。1893年には、ジャマイカ諸島全体で148カ所のラム蒸留所がありましたが、1948年までに25カ所にまで激減しています。現在ジャマイカで操業されている蒸留所は、ハンプデン・エステート、アプルトン・エステート、ワージー・パーク・エステート、ナショナル・ラムズ・オブ・ジャマイカ等数か所しかありません。ジャマイカのラムには甘さを強化するための砂糖を加えることが禁止されてています。ジャマイカ島は石灰岩でできていますが、ミネラル豊富で特に炭酸カルシウムがたくさん含まれ、このミネラルを含んだ水がラムの味にも影響しています。ジャマイカのラムは天然のイースト菌を使用しており、オーク樽で熟成され、どの段階においても砂糖や人工香料が加えられることはありません。

ジャマイカはレゲエの神様ボブ・マーリーの出身地ですので、レゲエの聖地と呼ばれているようです。私もボブ・マーリーを聞くとラムを飲みたくなります。

 

 

アプルトン Appleton

製糖工場として設立されたJレイ&ネフュー社で1749年にアプルトンエステート蒸留所が設置され、ラムの製造を開始しています。サトウキビ10トンから1トンの砂糖、0.4トンの砂糖が作られ、360本のラムが製造されます。水は工場内にある泉の湧水を使用し、アプルトン独自の自然天然酵母を創業当時から使用しています。蒸留は単式蒸留器と連続式蒸留器を使用しており、それぞれからできたアルコールをブレンドしラムを作っています。ジャマイカではブレンドされたラムの場合、最も若い熟成年数をボトルに表記することが決まりとなっており、アプルトン12年であれば12~18年熟成のラムがブレンドされています。

アプルトンのLINEUP

アプルトン・ホワイト、レイ&フューオーバープルーフ63°、アプルトンスペシャル、アプルトンエステートV/X、アプルトン12年、アプルトン21年、アプルトンレガシー、アプルトンエクスクルーシブ

アプルトン21年

モニマスク Monymusk

モラセス(糖蜜)を隣にあるモニマスク製糖工場から購入。足らない場合は、ガイアナ、グアテマラ、ドミニカ共和等から購入することがあるとのことです。発酵には、イースト酵母と酸をPHを抑えるために加えています。木製タンクで、サトウキビジュース、圧搾されたサトウキビ、モラセス、水を加えて温度調節することなく、自然発酵をしています。2週間発酵させた後に、4分の1を別のステンレスタンクに移し、再度モラセスを追加して、さらに2週間も発酵させます。ホワイトラムでもかなり甘めです。

モニマスクのLINEUP

ホワイトオーバープルーフ63°、スペシャルゴールド、クラシックゴールド、プランテーションスペシャルリザーブ、ココナッツラムリキュール

 

マイヤーズ Myers's

日本ではかなりなじみの深いラムです。輸入が不安定になるため終売になるとの話が流れています。マイヤーズの名前は、創始者のフレッド・ルイス・マイヤーズからきています。製造者のナショナル・ラム・ジャマイカ社は、クラレンドン蒸留所と、ロングポンド蒸留所を所有しています。自社畑のサトウキビをモニマスク製糖工場へ運び、ここで作った糖蜜を隣にあるクラレンドン蒸留所に運んでいます。銅製の単式蒸留器とステンレス製の連続式蒸留器で製造されています。糖蜜に地下水とサトウキビの茎と、蒸留の残留物であるダンダーを入れて、3週間かけて自然発酵したものを単式蒸留器で蒸留します。糖蜜に地下水と自家培養酵母を入れて24時間発酵させたものを連続式蒸留器で蒸留させます。それぞれの原酒をロンドンのDiageo Plc社が保有するグラスゴーの工場に輸出し、4年以上オーク樽で熟成させた後に、ブレンドしボトリングされています。

マイヤーズのLINEUP

プレミアム・ホワイト、オリジナルダーク

マイヤーズ

ラムファイアー Rum Fire

スコットランド人のジョン・スターリン氏が1753年に設立したハンプデン蒸留所を、1862年に売却したのが始まりです。元々はラムのボトリングではなくお菓子等のためのアルコールを製造し、海外に販売していたという変わり種の蒸留所。2010年からラムの熟成を始めています。このため、発酵に使う木製のタンクは古いものでは200年以上前のものもあるようです。発酵は自然発酵の天然酵母を使用し、バクテリアをキープするために発酵槽は一切洗っていません(笑)タンクには、サトウキビジュースと水、蒸留後の残留物であるダンダをミックスして作っています。発酵時に香り成分であるエステルを計るとのことで、7日間発酵させた後しばらくそのままにして、アルコールの度数は下がっても風味の強いアルコールを作るために置いてあります。さらに、発酵の過程でマックと呼ばれる発酵後の残留物を入れるらしいのですが、それは200年間受け継がれた泥のようなものです。焼き鳥屋のタレみたいですね。こうしてできるラムは風味が強く、複雑な味であることが特徴です。

ラムファイアーのLINEUP

オーバープルーフ63°、ハンプデンゴールド

 

最近では、フランスのラメゾンドウイスキー社とイタリアのヴェリエ社が設立した新しい合弁会社「ラメゾン&ヴェリエ」と提携して、初のオフィシャルボトルとして全世界向けにリリースしています。写真はこのオフィシャルボトルの最低7年以上熟成された、HAMPDEN JAMAICAN RUMです。

ハンプデン

 

ラムバー Rum Bar

1720年からウォーシーパークエステート社はサトウキビ畑の管理から初めて、サトウキビと砂糖の生産を開始しました。1918年からクラークファミリーが管理を行い、ラムの製造は2006年からとなります。ハンプデン蒸留所とは違い、こちらの蒸留所はオートマチックに稼働しています。水と自社酵母を1対1でまぜて、コントロール室で管理しています。酵母は企業秘密とのことです。3年以上の熟成ラムは、3年熟成後に一度ステンレスタンクに取り出して、再度樽に入れて熟成を続けるという仕組みを取っています。その理由としては、エンジェルシェアが10%と非常に多いためとのことでした。ハンプデン同様、最近ではボトラーズ等からウォーシーパーク蒸留所のラムが出荷されています。

ラムバーのLINEUP

ホワイトオーバープルーフ62°、ゴールド(4年熟成)

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