プエルト・リコ(Commonwealth of Puerto Rico)
ラムコンシェルジュのkunitomoです。今回はプエルト・リコのラムについてご紹介します。
・首都:サン・ファン (San Juan)
・通貨:アメリカ合衆国ドル(USD)
・公用語:スペイン語・英語
・ベストシーズン:一般的に11〜3月が乾季とされ、雨や湿気も少なく観光しやすい
・時差:日本との時差は-13時間
アメリカ合衆国自治連邦区という特殊な国です。
プエルト・リコのラムの特徴
世界最大のラム工場を有するバカルディのラムの工場があることで有名な国です。カターニョ(Cataño)という自治体にあり、観光地として人気があります。また、プエルト・リコ発祥のカクテル、「ピニャコラーダ」で有名なバー、「Bar Rachina」があります。1833年の奴隷解放により砂糖供給地であったフランスの植民地、サン・ドマングに変わる地域として、スペインによってサトウキビのプランテーションが奨励されましたが、キューバと比較して資本集積がうまくできず国際競争力が確保できませんでした。1898年に米西戦争により、アメリカ軍に占拠された後、戦後スペインがアメリカに割譲し、アメリカの領土となりました。プエルト・リコは、サルサ発祥のとしても知られています。
バカルディ(Bacardi)
スペイン人のドン・ファンクド・バカルディ・マッソが1862年にキューバのサンティアゴで創業。バカルディのブランドマークの「バットデバイス(コウモリ)」は、当時文盲率の高かったキューバ国民に自社のラムを広めるために考え出されました。当時のスペインではフルーツバット(コウモリ)が、幸運・健康・家族の団結のシンボルと考えられていました。キューバの先住民のダイノス族がコウモリをすべての文化の所有者とみなしていたことを、ドン・ファンクドの妻が知っており、提案したとのことです。バカルディを使ったダイキリやキューバリバーが爆発的に売れ、キューバ初の多国籍企業となりましたが、1959年にキューバ革命が起きて、バカルディの資産が没収されました。このため、発酵の元となるイースト酵母をもってバカルディは亡命しました。バハマ・カナダ・アメリカに工場を作った後、1966年にバミューダに本社を移転、1978年にはアメリカで販売数№1のスピリッツブランドとなりました。ラム以外のブランドでは、ボンベイ・サファイア(ジン)、デュワーズ(スコッチ・ウィスキー)、マルティーニ(ベルモット)等を所有しています。亡命時に運んだイースト菌は「La Levadura Bacardi」と呼ばれる独自のイースト酵母です。熟成したラムをチャコールフィルターで業界で初めて使用したことでも知られています。熟成ラムをわざわざ濾過して透明に戻しています。バカルディは、ラムを使ったカクテルに大きな影響を与え、「モヒート」「バカルディ」「キューバリブレ」「ダイキリ」「ピニャコラーダ」といった数々のカクテルを生み出しました。
バカルディのLINEUP
スペリオール、ゴールド、ブラック、151、8年、リモン、オークハート
ドンQ (Don Q)
スペインのカタルーニャ地方出身のセラーレス家は1830年代にプエルト・リコに渡ってきました。バカルディのドン・ファンクドもカタルーニャ地方出身です。中央プエルト・リコに砂糖のプランテーションを設立し、短期間で成功しました。その砂糖をアメリカ・イギリス・フランスに輸出し、フランスから持ち込んだ蒸留器でラムの製造を始めました。大衆的なラムを製造していましたが、1932年にプレミアラムとして、ドンQのブランドを立ち上げました。プエルト・リコでは、バカルディが外国ブランドとして認識されているため、ドンQは国産ラムとして評価され人気の高いラムです。蒸留所はセラーレス蒸留所で、プエルト・リコのポンセにあります。ドンQは、プエルト・リコ経済に大きな影響を与えていますが、毎年1億2000万ドル以上の経済効果をもたらしています。
ドンQのLINEUP
クリスタル、ゴールド、151、グランレゼルバ、レゼルバ7、オークバレルスパイスト