ドミニカ共和国(Dominican Republic)
ラムコンシェルジュのkunitomoです。今回はドミニカ共和国のラムについてご紹介します。
・首都:サントドミンゴ (Santo Domingo)
・通貨:ドミニカ・ペソ(DOP)
・公用語:スペイン語
・ベストシーズン:一般的に11〜3月が乾季とされ、雨や湿気も少なく観光しやすい
・時差:日本との時差は-13時間
ドミニカラムの特徴
ドミニカのラムにはいくつかの法律が存在しています。その規制に則ったラムブランドだけが、「Made In Dominican Republic」と表記できます。それ以外のものは、プライベートブランドとして、市場に出ています。ジャマイカと違い、ヘビーなラムを好まないので、ラムは「ライトでエレガント」を基本としています。カリブ海ではキューバの次に大きな国です。新大陸初のスペイン植民地であったため、隣のハイチとは違いスペインの影響を強く受けています。2大主食はアロース(米)とプランテイン(調理用バナナ)です。
ブルガル(Brugal)
1888年にドン・アンドレス・ブルガル・モンタナによって、創業しました。今でもブルガル一家によって運営されています。2008年にマッカランを製造しているエドリントングループと提携し、樽の管理技術を導入しました。原料となる糖蜜(メラッサ)は100%国内産で、クリストバルコロンという会社から購入しています。酵母は企業秘密の酵母を使用しています。発酵時間は48時間が基本で最大68時間で行います。ステンレス製の蒸留器が2機、3セットあり、軽いアルコール成分だけが残るように調整されます。加水用の水はイサベル・デ・トーレス山から引いてきていますが、その水からミネラル分を抜いて使用しています。95°のアルコールを加水して65°まで度数を落とし、バーボン樽に入れ1年間寝かせてから3段階に分けてろ過し、熟成庫に移動しています。アメリカンオーク樽はジャックダニエルとジンビームから購入しています。熟成庫は政府が管理しています。輸出用のラムは最低2年間熟成しますが、ドミニカの法律で一度樽に入れたら樽から樽への移動や付け足しは禁止されており、年間8~10%のエンジェルシェアがあるため、単一の熟成は8~9年が最大となります。熟成したラムを一度ステンレスタンクに移し、度数調整をします。ブルガル1888は、マッカランと同じペドロヒメネスの樽で2~4年熟成しています。
ブルガルのLINEUP
シルバードライ、エクストラドライ、アニェホ・ブランコ、アニェホ・スペリオール、アニェホ3年、アニェホ5年、パルマ・スペリオール、アニェホ7年、アニェホ15年、アニェホ25年、1888
ロン・バルセロ(Ron Barcelo)
1929年にジュリアン・バルセロがロン・バルセロS.R.L社を創業しました。原料はサトウキビジュース100%からできる蒸留後のアルコール自体をAFD(ALCHOLES FINOS DOMINICANOS)という会社から購入しています。このAFD社はサトウキビの苗を植える時期をずらすことで1年中収穫することができるため、ロン・バルセロS.R.L社も年間を通して生産をすることが可能となっています。生産した96.3°のアルコールを加水して60°まで下げて熟成しています。使用する樽はほぼアメリカンオーク樽です。この中には、シャトーディケム(赤ワイン)で使用した樽も使用されています。これはグラン・プレミアムとグラン・インペリアルというボトルの熟成に使用しています。その後、タンクに移してアメリカンオーク樽とシャトーディケム樽で熟成させたラムをブレンドしています。
ロン・バルセロのLINEUP
ドラド、ブランコ、姉補、グランアネホ、グランプレミアム、インペリアル、インペリアルプレミアム30アニバルサリオ、クリーム(アネホ&クリーム)
マツサレム(Ron Matusalem)
アルザ・インヴェストメンツ合同会社は、1872年にベンジャミン、エドゥアルド、エバリスト・アルバレスが創業。マツサレムの語源は「メトセラ」と呼ばれる旧約聖書に登場する「ノアの箱舟」のノアの祖母の名前です。スペインには「マツサレムより古い」という言い回しがあって、とれも歴史があって古いものを表すときに使います。キューバで操業されましたが、キューバ革命後、ドミニカ共和国で製造しています。原酒はロン・バルセロと同様にAFD社から提供を受けています。蒸留はステンレス製の連続式蒸留器を使用し、蒸留後のアルコールは96°となり、ステンレスタンクで1か月ほど貯蔵されます。シェリーの製造方法と同じソレラシステムで熟成しています。使用する樽は、バーボン樽、ブランデー樽、シェリー樽等様々なものを使用しています。
マツサレムのLINEUP
プラティノ、アネホ、ソレラ7、ソレラクラシコ、グランレゼルバ15、グランレゼルバ23
ベルムデス(Bermudez)
1852年、J・アルマンド・ベルムデス&カンパニーをドン・エラスモ・ベルムデスが創業。蒸留は自社のベルムデス蒸留所で行っています。昔は銅製の蒸留器も使用していましたが、現在はステンレス製の連続式蒸留器で蒸留しています。蒸留後のアルコールは95~96°ですが、加水して65°まで度数を下げています。熟成樽はほぼアメリカンオーク樽を使用していますが、一部にコニャック樽や赤ワイン樽、シェリー樽も使用しています。独特なのは樽の内部を焦がすチャーを7段階に分けて行い、焼き加減を調整することにより、各銘柄の味を作り上げています。
ベルムデスのLINEUP
ベルムデスブランコ(3年熟成・チャコール濾過)、ベルムデスドラド(3年熟成)、ベルムデスヴィエホ(3年熟成)、ベルムデスアネホセレクト(7年熟成)、ベルムデスドンアルマンド(10年熟成)、ベルムデスアニベルサリオ(Ⅰ2年熟成)、ベルムデスレオン、ベルムデス151