ラムコンシェルジュのkunitomoです
耳なし芳一、雪女等、怪談で有名な、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が料理本を出版していたことをご存知でしたか?「Lafcadio Hean's CREOLE COOK BOOK(ラフカディオ・ハーンのクレオール料理読本)」という本が復刻版として出版されています。
ラフカディオ・ハーンは、日本では小泉八雲という名前のほうが有名ですが、イギリス人の父とギリシャ人の母から、ギリシャで生まれました。
一般的にクレオールとは、西インド諸島や中南米で生まれ育ったヨーロッパ人、特にスペイン人やフランス人の子孫を指していますが、一般的にはフランス系やスペイン系の人々と有色人種の間にできた混血の子孫も意味します。
特にアメリカ、ルイジアナ州では、フランス人・スペイン人とアフリカ人・先住民を先祖に持ち、ルイジアナ買収以前にルイジアナで生まれた人々とその子孫、また彼らと関わりのある事物のことを指すようです。
ルイジアナ州ニューオリンズは現在アメリカですが、以前はフランス領ルイジアナの首府であり1803年にアメリカに売却されました。余談ですが、東京ディズニーランドのカリブの海賊エリアはニューオリンズの街並みを再現しています。ニューオリンズには、現在2つのラムの蒸留所があります。
ラフカディオ・ハーンは新聞記者をしていましたが、その際にニューオリンズに行き、そこでのクレオール文化に興味を持ったようです。後の民俗学者としての彼の興味を引いたのが、ニューオリンズの文化だけでなくそこでの料理でした。この本の中の、ある料理の一文を抜粋します。私が一度作ってみようと思っている「牛乳パンチ」です。
クレオールの元である西インド諸島マルティニーク(フランス領マルティニーク県)について、コロンブスはこの島を「世界で最も美しい場所」と呼びました。マルティニークにラフカディオ・ハーンは1887年から1889年にかけて2年間もマルティニーク島に滞在しています。
彼には「仏領西インドの二年間」という著作もあり、彼はその中でマルティニーク島の怪異を書いていますが、その中にはゾンビもあるようです。ラフカディオ・ハーンが滞在していた同時期には、画家ゴーギャンも滞在しており、その時期に「マルティニークの風景」を描いています。
マルティニークは、アグリコールラムの美味しさで名をはせています。ラム酒を製造している蒸留所は9か所あり、海外県では初めてAOC(※)を取得しています。Clement、Depaz、J.Bally、Saint James等、有名な銘柄が多く作られています。おそらくラフカディオ・ハーンも滞在時にはラムをたくさん飲んだのではないでしょうか。こればかりは推測ですが・・・(笑)
ニューオリンズ、マルティニーク島の二つとも、ラムに関係する地域であることは間違いありません。いつか行ってみたいと思います。
※AOC=フランスの農業製品、ワイン、チーズ、バターなどに対して与えられる認証 アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ(Appellation d'Origine Contrôlée)の略称