ラム酒のおすすめ(ヴァージン諸島)

ヴァージン諸島(Virgin Islands)

ラムコンシェルジュのkunitomoです。今回はヴァージン諸島のラムについてご紹介します。

西側半分50ほどの島はアメリカ領ヴァージン諸島、東側半分は60ほどの島はイギリス領ヴァージン諸島となっています。ヴァージン諸島の名は、コロンブスが最初に発見した際に、人間によって汚されていない自然なままの姿を、当時の西欧で広く崇敬されていた、聖ウルスラと1万1千人の乙女の殉教伝説と結びつけて名づけたものです。米領ヴァージン諸島のセント・ジョン島にはサトウキビのプランテーションの面影を残すアナバーグ製糖工場跡が、英領ヴァージン諸島のトルトラ島にはコールウッド・ラム酒工場があります。コールウッド・ラム工場では、アルンデル・ラムが今でも作られています。

・首都:アメリカ領:シャーロット・アマリー(Charlotte Amalie)、イギリス領:ロード・タウン(Road Town)

・通貨:アメリカ合衆国ドル(USD)※イギリス領も同様

・公用語:英語

・ベストシーズン:一般的に11〜3月が乾季とされ、雨や湿気も少なく観光しやすい

・時差:日本との時差は-13時間

パッサーズ(Pusser's)

英領ヴァージン諸島で作られています。長い間、英国海軍御用達だったラムです。17世紀中ごろから1970年7月31日まで海軍では毎日乗組員にはパッサーズを配給していました。1866年からそのラムの度数を54.5°(109プルーフ)と規定していました。最後の配給日を乗組員が嘆き悲しみ、1970年7月31日をブラックトットデイと定めました。TOT(トット)とは1日分の配給分のことです。パッサーズの名前の由来は、英国海軍では敵艦に勝って勝利したり乗組員が手柄を上げると褒美として増量されたラムが戦艦の事務長(Purser=パーサー)から配給されていました。このパーサーズ・ラムが縮まって、Pusser's Rum(パッサーズラム)と呼ばれるようになりました。今までは海軍でしか飲むことができなかったラムが1979年から一般市民でも買うことができるようになりました。パッサーズの原料のサトウキビはガイアナのデメララ地域で栽培され、蒸留所はトリニダード・トバゴとガイアナにあります。蒸留所はトリニダード・トバゴ蒸留所と、ガイアナのデメララ蒸留所です。デメララ蒸留所では300年前に作られた木製の連続式蒸留器が使用されています。パッサーズのスパイスド・ラムは、スパイスド・ラムに多いバニラではなくシナモン、生姜、オレンジの皮、ナツメグを使用して作られており、スパイシーな味わいです。

パッサーズ

パッサーズのLINEUP

ブルーラベル40°、ブラックラベル、グリーンラベル、15年、スパイスド・ラム

キャプテンモルガン(Captain Morgan)

米領ヴァージン諸島のセントクロイ島で作られています。1944年にサミュエル・プロンフマンが設立したシーグラム・カンパニーが、キャプテン・モーガン・ラム・カンパニーという名前でラムの生産を開始しました。サミュエル・プロンフマンはジャマイカ政府からロングポンド蒸留所を購入しました。このロングポンド蒸留所からラムを購入していたレヴィ・ブラザーズというキングストンの薬局が、ラムに薬草や香辛料を加えて瓶詰していたことに目をつけたからで、その製法の権利ごと購入しました。2001年にシーグラム社は、キャプテンモルガンブランドをディアジオ社に売却しました。2008年からセントクロイ島で新しいラム蒸留所を設立し、2012年から現在まで稼働しています。

連続式蒸留器で蒸留し、1年間樽に入れて熟成し、最後の製造工程でバニラスパイスとトロピカルフレーバーを加えて製造しています。キャプテンモーガンについては、ラム酒コラムをご覧ください。

 

キャプテンモルガン

キャプテンモルガンのLINEUP

オリジナルスパイストゴールド、ホワイト、ジャマイカ、プライベートストック、ブラック、タトゥー

セーラー・ジェリー(Sailor Jerry)

米領ヴァージン諸島で製造されています。アメリカン・タトゥーの父ともいわれるアーティスト、ノーマン・セーラー・ジェリー・コリンズ(本名:ノーマン・キース・コリンズ(Norman Keith Collins))が好んでいたというスパイスドラムです。アメリカン・タトゥーは水夫(船乗り)と密接な関係が昔からあります。セーラー・ジェリー自身もバックパッカーをしていた頃に、タトゥーの技術を身につけ、その後海軍に入隊し、水夫たちに多くのタトゥーを施しました。最後はハワイのホノルルで自身の店を開きました。また、現在では多くみられる紫インクの開発にかかわり、世界で初めて完成させることに成功しました。彼の名前がセーラー・ジェリーなのには、面白い話があります。ジェリーとは、彼の父親が付けたニックネームで、彼の頑固さにちなんで、飼っていた手に負えないラバの名前からきています。その後海軍に参加したことをきっかけにセイラーの名が加わりました。

ラム自体は、アメリカ海軍の兵隊が飲んでいたネイビースタイルのラムをベースに彼のオリジナルレシピを基に再現したラムです。ヴァージン諸島で蒸留したラムに天然のバニラやライム等をブレンドしています。アメリカ海軍も以前はラムを配給していましたが、イギリスよりも早く1862年に制度を廃止しています。このラムの製造はウィスキーで有名なグレンフィディック蒸留所を設立したウィリアム・グラント&サンズ(William Grant & Sons)が製造しています。甘い香りのラムですが、味わい自体は甘ったるくはありません。このラムは飲み終わった後にビンを覗いてみてください。飲んでからのお楽しみです。

ボトルのラベルは、海軍時代にハワイを訪れた水兵を象徴するコリンズのタトゥー・アート作品の代表作であるフラガールをフィーチャーしています。

 

セーラー・ジェリー

セーラー・ジェリーのLINEUP

40°、46°の度数違い

クルーザン(Cruzan)

米領ヴァージン諸島セント・クロア島にある、クルーザン・ラム蒸留所で製造されています。1760年に設立し、「世界で最も名誉あるラム蒸留所」と言われているようです。現在のオーナーはビーム・サントリー社です。オーナーは何回も変わっていますが、蒸留所自体はネルスロップ家が2代にわたって管理しています。ラム酒だけではなく、サトウキビから抽出した薬用のアルコールも製造しています。明確なブランド名については、セントクロア島でマルコムM.スケオッチと他の投資家によって「ダイヤモンドラムカンパニー」が設立された1934年1月にさかのぼることができます。有名なダイヤモンド蒸留所を設立しています。クルーザンラムはダイヤモンド蒸留所のラムであることを証明する名前にもなっていた時代があります。1960年代からサトウキビの生産がセント・クロア島で行われなくなってきたため、蒸留所の変更があったようです。クルーザンは、ほとんどがアメリカ国内で消費されています。代表的なボトルであるシングルバレル40°は最長12年熟成した原酒をブレンドして、さらに新しいオーク樽で熟成しています。

 

クルーザン

クルーザンのLINEUP

シングルバレル

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