ラムコンシェルジュのkunitomoです。今回はバミューダのラムについてご紹介します。
私の妻は、アイスにラムをかけるのがとても好き。私はかけずに飲むのも、アイスにかけるのも両方好きです(笑)。
お酒の楽しみ方は人それぞれですよね。私は人生で大切なことはバーで教わったと思っています。初めてバーに行ったときは、なんとなく大人になった気がしました。いい大人になった今でも初めてのバーに伺うときには、ドアを開けるときには、ちょっとだけ緊張します。
お酒は自宅でも、居酒屋でもどこでも飲むことはできますが、私の中でバーは、お酒を飲むだけでなく特別な場所だと考えています。最近では一人でラムバーに行くことが多いですが、行く目的はいくつかあります。一つは純粋にラム酒を楽しむこと。一つは一緒に行った友人たちと向かい合うこと。一つは一人の時間を持つこと。一つはバーテンダーの方と話をすることです。
ラムコンシェルジュですので、ラムの知識を増やしたり、ラムを純粋に味わうためにバーに行くことが一番多いです。居酒屋ですとお酒と料理を楽しむことも多いのですが、友人たちとバーに行く際は、飲みながら語り合うことが目的だったりします。お店に迷惑をかけるので長居はできないけど、人生の節目節目で上司や友人とバーに行ってきた気がします。
バーの良いところは、一人で行ってバーテンダーの方が、適度な距離を保ってくれるところが一番です。男性のストレスの発散方法は、一人でボーっとするという方がが多いのではないのでしょうか。公園や海を見ながらなんて人もいるかもしれませんが、ストレスはたいがい仕事がらみが多いですよね。疲れた体を引きずりながら、夜の公園よりもエアコンの聞いたバーで一人になるほうが私は好きです。
一人になって酒を飲みながら1日を振り返るもよし、純粋に酒を楽しむのもよし、気分転換にバーテンダーの方と話をするのもよしです。大概のバーテンダーの方は、こちらの気持ちを察してくれて、つかず離れずで向き合ってくれる方が多いですね。
良いバーの条件は、「人、酒、音楽」と言われるそうです。良いバーには、よい酒と良い音楽が流れています。静かに程よく酒を飲む「浅酌」という言葉があります。バーではあまり酔っぱらっている人は見かけません。ほどよく嗜んでいる方が多いですね。バーは敷居が高いという方もいますが、ちょっとしたルールさえわかれば気持ちの良い場所です。バーに行くときのマナーについては別の投稿にまとめてみましたので、こちらをご覧ください。
出世魚ならぬ、出世酒という言葉があります。リーガロイヤルホテル マスターバーテンダーの古澤さんが書かれた「カウンターの中から見えた出世酒の法則」という本があります。ここで私は初めて聞いた言葉です。写真はリッツカールトン大阪のThe Bar のマティーニです。ホテルのバーはオシャレなところが多いです。写真を載せていますが、出世酒はマティーニではありません。出世酒は「ダイキリ(Daiquiri)」だそうです。酸味と甘みの絶妙のバランス、古澤さんはダイキリのベースにバカルディのホワイト・ラムを使っているとのこと。詳しくはここでは書きませんが、「酸いも甘いも嚙み分ける」力が備わっていないと出世はできない。優秀なビジネスマンはダイキリだということです。ダイキリはどんなカクテルよりも傑出したバランス感覚が求められます。バーテンダーの資質が問われるカクテルです。
ダイキリの始まりは諸説ありますが、1896年に誕生したキューバのサンチャゴの郊外にある、ダイキリ鉱山で働く男たちが好んで飲んでいた酒です。発案者は鉱山で働いていたアメリカ人で、厚いキューバで清涼感のある酒を味わいたくて、キューバラムにレモンと砂糖を入れて飲んだのが始まりとのことです。
カクテルの王様と言われるマティーニではなく、なぜダイキリなのか。マティーニは作り方だけで300種類もあるといわれています。ある意味人それぞれのマティーニがあるということです。ある意味俺流仕様のカクテル。仕事でも俺流を通しきれたらかっこいいですが、仕事はチームプレイがほとんどです。ダイキリのように相手の良さを最大限に引き出せる人のほうが、出世しやすいということで、ダイキリは出世酒と古澤さんは言っています。女性の出世酒は「ジャック・ローズ(Jack Rose)」。ヘミングウェイの「日はまた昇る」の中で主人公が飲んでいたカクテル。その理由は古澤さんの本を見てみてください。
出世した人は、酒と縁が深い人が多いようです。ナポレオン三世はボルドーワイン、ルーズベルト大統領はマティーニをスターリンとチャーチルに振る舞ったり、そのチャーチルはコニャックが好きで、彼の名を冠した「ザ・グレートスモーカー」というコニャックがあります。クレオパトラは蜂蜜の酒ミード。人生のイロハを教えてくれるのが酒。
今日もバーでラムを味わって帰ります。